La Corriente(ラ・コリエンテ)のルエダの技術
ここでは少し私たちラ・コリエンテのルエダの技術的な特徴を解説いたします。
ルエダの技術は各先生方の考え方や美意識によって、地域や教室によっても異なりますが
ラ・コリエンテのルエダの演技で特に心がけていることは
1.流れとスピード感ある演技をすること。
2.万華鏡のように美しく幾何学的な動きをすること
の2点です。
1番目の「流れとスピード感ある演技」をするために重要なことは前に進むステップです。
たとえばエンチューフラやプリマ(アディオス)に入る際に1歩目でバックステップを踏むスタイル
が一般的ですが、ラ・コリエンテでは前進するのにわざわざバックステップを踏むことは
流れとスピード感をそこで途切れさせることになるので厳禁としています。
また、よく見かけるディレケノ時のカニ歩きのようなステップは見た目も悪く
スピード感もないので使いません。
ルエダのステップは基本的に前進、後退、体重移動による方向転換の3種の動きで構成されるべきと考えます。
2番目の「万華鏡のような動き」ですが、これは簡単ではありません。
全員がステップする位置を正確に把握して、常に居るべきときに居るべき位置に居る必要があります。
一般的なルエダのレッスンではステップして移動する軌道を四角形で説明しているようです。
もちろん、それが正統派であると思いますが、ラ・コリエンテでは下図のような三角移動を教えます。
男女向かいあって立ったときに、自分を頂点に逆三角形をイメージします。
男女の動きを組み合わせると六角形の星の形になります。
そして三角形の底辺がディレケノのラインになるわけです。
これはラ・コリエンテの特徴的なステップであり、より容易に万華鏡の動きを実現できると考えています。
以前、ジョエル先生のワークショップを受講したさいに先生が「カシーノは俯瞰して見る」
とおっしゃっていたのを思い出します。
ルエダはやはり上から見たときに綺麗に見えるように動けるのが理想だと思います。
他にもより優雅に歩くなど、やるべきことはいろいろあるのですが実現はなかなか難しく今後の課題としております。
代表的なルエダのカンタ/コール(かっこ内はマイアミルエダでの呼び名)
●ダメ
男性が右隣の女性をディレケノしてパートナーチェンジ。基本中の基本。
●エンチューフラ
女性を左ハーフターンさせたあと右隣の女性にパートナーチェンジ。
●プリマ(アディオス)
女性をホールドして右半周スポットターンして女性の右手下をくぐり右隣の女性にパートナーチェンジ。
なお、キューバンルエダで「アディオス」と言う場合はホールドしてその場で何週もグルグル回るスポットターンを指す場合あり。
●セテンタ
女性をハンマーロックする技。抜け方やパートナーチェンジする、しない、などチームによって様々。
●マトリモーニョ(ソンブレロ)
男女の右手と右手、左手と左手を繋ぎ女性をライトターンさせた後、男性の右手を女性の首に、左手を自分の頭にかぶせてディレケノ。
キューバンでも「ソンブレロ」と呼称する場合もあるが、まったく違う技を指す場合もあるので注意。
●オチェンタ(モンターニャ)
男女の右手と右手、左手と左手を繋ぐことをオチェンタといいます。
この状態で女性ライトターン、女性左ハーフターンさせながら男性フックターン、女性ライトターンからマトリモーニョ(ソンブレロ)
●サカラ(エキシベラ)
円の中心に向かって女性ライトターン。キューバンでも「エキシベラ」と呼称する場合あり。
上記はあくまでほんの一部ですが、多くのルエダの技はこれらの発展系です。
マイアミルエダは見事に体系立てられ、瑣末な差異はあれどほとんど世界共通ですが、キューバンのルエダは
本場ハバナでもワンブロック違えばルエダも違うというくらいローカル色が強いのが特徴です。当然技の名前も統一されていません。